監督代行を振り返る【episode.2 バット一本で ~2014 #1~】

 

連日の投稿です。(いつぶりだろう)
ブログ開始当初は毎日更新できていましたが,だんだん息切れし,不定期更新になってしまいました。コロナによる活動自粛期間は,何とか頑張ってみます。

 

さて,今回は「監督代行を振り返る」第2弾です。

今回の主人公はこの選手。

 

 

6年生に上がるときに入団。背番号は1番ですが,下級生が20,19,18…というふうに背番号を付けていくので,空いていた番号ということでそうなりました。

バットに当たった時の破壊力は抜群でしたが,守備や走塁面で覚えなければならないことが多く,また下級生とのポジションの重複もあり,なかなか出場機会に恵まれませんでした。試合に出るためならばと,キャッチャーの練習にも精力的に取り組みました。素振りも人一倍行い,地道に努力する選手でした。

 

 

そんな彼に,野球の神様は味方してくれました。

 

10月下旬の招待試合。
「3番・ライト」で出場した彼。せっかく出塁したものの走塁アウトに。ミスが出ると,申し訳なさから持ち前の元気が半減してしまうのがもったいない。

普段だとこのまま終わっていたのですが,野球の神様は彼の努力を見ていました。

勝ち越しに成功した直後。彼に再び打席が回りました。下級生からバットを拝借して右打席へ。

豪快に振り抜くと,打球はレフトへ弾丸ライナー!
そのまま,防球ネットに 突き刺さりました。ホームランです!

 

 

試合中,あまり表情を変えることのなかった彼ですが,この時ばかりは表情が緩み,努力が報われたことへの安堵感,達成感がにじみ出ていました。試合にもそのまま勝利。

ホームランはバット一本でチームの勢いや試合の流れを変えます。偶然では決して打てるものではありません。彼も,並々ならぬ努力の末に生み出した特大ホームランでした。

 

 

 

指揮を執る上で,試合に勝つことを目指すと,どうしてもリスクが怖くなる時があります。誰にも負けない長所があっても,課題が目立つとどうしても起用するのが怖くなる。でも,試合に出ないと課題はずっと課題のままです。
この年の招待試合では,彼も含めて6年生4名をフル出場させ,リスクは承知の上で,じっくりと打席や守備機会を与えてきました。特に出場機会の少なかった彼には,できるだけたくさん打席が回るように,そして公式戦さながらの緊張感で打席に立てるように,1番やクリーンアップで起用することが多かったと思います。緊張するから勘弁してくださいと言われたこともありましたが,重圧にも打ち勝ち,結果を出しました。

 

采配を振るう者として,長所や努力を評価し,発揮させる場を与えること。
それも中途半端な形ではなく,腰を据えて試合に臨めるようにすること。

その視点を今でも大切にしています。選手起用の方針は,彼との出会いが「原点」になっています。

 

たった1年間の在籍でしたが,彼からは本当に多くのことを学ばせてもらいました。
6年生4名で,下級生の力を借りながら,新人,春,夏,秋と試合を重ねるごとに強くなっていったチームでしたね。人数ではないということを教えてくれた学年でもありました。

 

彼はその後中学校で才能を開花させますが,野球部のない高校へ進学。クラブチームに所属し,当時と変わらぬ努力で野球道を歩んでいます。

 

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