なぜ声を出さなければならないのか

2019.5.31(金)

 

 

 

 

試合中の選手たちの表情。

一生懸命,声を出しています。

 

 

 

 

 

ところで「なぜ,声を出さなければならないのか?」

ある選手のエピソードから考えてみたいと思います。

 

 

 

5月4日,スポ少春季大会の六郷戦で初の3塁打を放ったコウヘイ

普段はご覧の通り↓明るくひょうきんな選手ですが,試合中,ほとんど表情を変えることがありません。
この3塁打の場面も,塁上で笑顔は無し。

 

 

 

実は前述の3塁打の直後の走塁で,ショート正面のゴロで飛び出し,アウトになってしまいました。
練習で確認したばかりのことができず,得点機を逃してしまいました。

監督から指導が入り,ベンチで悔し涙を見せていたコウヘイ。
試合でミスをして涙を流したのは初めてだったのではないかと思います。

通常だと流れが切れるところですが,後続の選手が打って得点が入った。
私はベンチでコウヘイの隣に行き,「上級生が助けてくれたぞ。これで大丈夫。守備で貢献しよう」と声を掛けました。コウヘイは,目を真っ赤にしながらうなずき,守備に向かいました。

 

 

守備でも慣れないポジションに悪戦苦闘。何でもないゴロが捕れず,捕っても送球がおぼつかない。
打球を一つもアウトにできない試合もありました。

 

 

前述の走塁ミスから数試合後の5月12日。
藤崎CUP2回戦 遠見塚戦のタイブレーク。

エラーで同点に追い付かれた後,盗塁阻止の三塁送球がショートバウンドに。後逸したらサヨナラ負け。コウヘイはこれを止め,サヨナラを阻止。とても大きなプレーでした。

(エラーは戸田塁審の圧のせいか!? 怖すぎます。)

 

 

同点のまま9回表へ。
コウヘイは回の先頭打者。0アウト1・2塁からの攻撃。ベンチからのサインは送りバント。
膝が震えているのがわかります。

 

 

結果はバントがフライになりダブルプレイ。

これが尾を引き,この回無得点。

コウヘイは今にも涙がこぼれそうな暗い表情をしていました。
前と同じく「守備で貢献してこい」と声を掛けて9回裏の守備に送り出しました。

 

 

 

 

9回裏。
サードにゴロが飛ぶ。悪送球すればサヨナラ負け。

送球が一瞬高く浮いたように見えましたが,アウトに。
コウヘイの精一杯のプレーで最後のアウトを取り,規定のイニングを終了しました。

 

 

 

 

試合は抽選で勝利。

遊んでいるときや甘えているときに見せる笑顔はなかったけれど,ホッとした表情をしていました。6年生の試合で大きなミスをしてしまった後,取り返そうと頑張り抜いた姿が心に響きました。

 

 

 

 

初3塁打の試合後に感想を聞きました。
コウヘイは「亀ちゃんが,初球を打っていいぞと言ってくれたから打てた」と言った。

そんなことを言ってほしくて聞いたわけではなかったのですが,私の名前を出して振り返ってくれたのは,表情には表さないけれど,とても緊張し,打席で心細かったからだと思います。

 

遠見塚戦の後は,「ゴロをアウトにできたのがめっちゃうれしかった」と語ってくれました。

本格的に試合に出始めて2ヶ月足らずで,勝ち進んでどんどん試合の舞台が大きくなっていくわけですから,感じるプレッシャーの大きさは計り知れません。以前アウトにできなかった打球を,今回はアウトにできた。コウヘイが自分自身で成長を実感できた1試合だったのではないかなぁと思います。

 

 

ベンチから声を出してどれだけ役に立てているのかと思うことが多かったけれど,コウヘイとのやりとりの中で,彼の頑張りに私は救われ,私の言葉が彼を救うのに少しは役に立ったのかなと思えました。

どの場面のやりとりも時間にしてほんの数秒なのですが,頑張る原動力にしてもらえたのならばコーチとして役に立てた瞬間なのかなぁと思います。

 

 

 

子どもたちの疑問 「なぜ試合中,声を出さなければならないの?」

 

自分はこう答えます。

【声・言葉に救われる人がいるから】だよ,と。

 

試合に出ている選手も,控え選手も,声で,言葉で,仲間を救えるかもしれない。
どんな試合展開であろうと,声を出して,言葉を伝え続けよう。

 

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令和元年 父母の会会長

今野ジュニアコーチ

コーチ兼ブログ担当

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