行く年来る年(その2:来る年 編)

2016.12.19(月)

例年,納会では新年度のキャプテンを選出することになっています。
決め方は立候補制で,複数の立候補者があった場合には他のメンバーによる投票を行って決定しています。

今年は何と,納会で新キャプテンが正式決定せずに越年することになりました。
チーム事情ですので詳しく述べることは避けますが,すんなりと決まる状況にならなかったということです。

 

今年の青葉区秋季新人大会,2勝して迎えたブロック優勝決定戦。
私はベンチで信じられない出来事を目の当たりにしました。

攻守で2回も,試合の勝敗に直結する大きなミスをしてしまった選手がいました。それが他でもない,新人チームでキャプテンを務めたコウノスケでした。
悔しくないわけがない。申し訳ないと思っているに決まっている。
それに対し,試合も終わらぬうちからミスを責め立てるような辛辣な言葉をかけるチームメイト。
言い返すこともなく,憮然とした表情でグラウンドを後にするコウノスケ。精一杯の抵抗だったのでしょう。

私は,吉成のユニフォームを着て丸4シーズンですが,この日,過去最大と言えるくらいに怒りがこみあげ,もうはらわたが煮えくり返りそうな状況でベンチを引き揚げたのでした。
ミスが続いたからではありません。6年生とも一緒に試合に出てきた選手たちが,6年生中心に1年間頑張って創り上げたことを台無しにするような発言を軽々しく行っているという現実。

「1年間,6年生と一緒にやってきて何を学んだの?」

自分自身が冷静でいられる自信がなかったので口にはしませんでしたが,文句を言った選手たちが,1年間で6年生から何も学べなかったという恥を露呈した場面でもありました。それからまた私は練習に満足に参加できない日が続き,結局そのことを子どもたちに最後まで話せずにシーズンが終わりました。

 

そして昨日。
新キャプテンが決まらず,別室で話し合う5年生に問いました。

「どんなチームにしたいの? どんなチームで野球をやりたいの?」

キャプテン不在という危機的状況になって,初めて気がついたのでしょう。
自分たちが今年の過ちを続ければ,チームとして成り立たなくなるんだということ。
全員が反省し,ここで改めて一つになることを目指す必要があるということ。

 

話し合いの場で,一人ずつ,自分の言葉で話をさせました。
そこで出てきた話の多くは,今年キャプテンを務めたコウノスケへの感謝の言葉でした。

「練習でうまくいかなかった時,コウノスケがいつも一番最初に励ましてくれた。」
「試合中にいろいろ声掛けを進んでやっていたのはいつもコウノスケで,心強かった。」

責任を感じたのか,話しているうちに涙を浮かべる選手や,泣いてしばらく話せない選手もいました。
それでも全員が意思を表明し,最終的に5年生の中では合意形成が図られ,結論めいたものに到達して長い話し合いが終わりました。「押しつけ」であったり,反対に「出しゃばり」であったり,その場の気まぐれであったりせずに,チームとしてベストと考える意見を一人一人出すことができました。涙を流しながら腹を割って話し合った時間の中で,彼らの口から,チーム第一の視点に立った言葉が初めて出たのでした。昨日の話し合いは,来年チームの中心となる新6年生一人一人の気持ちに変化をもたらした,野球の練習よりもずっとずっと重要な時間だったと思います。

 

来週から1月いっぱいまで,約1ヶ月半のオフに入ります。
2月に新体制としての最高のスタートが切れるよう,昨日合意したことを来年の納会まで一人一人が頭の中にとどめ置き,実践してほしいと思います。私は,どんな時でも全力で応援し,味方になり,サポートしていくつもりです。

 

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