2014.7.29(火)
東北南部も梅雨明けが発表され、いよいよ夏本番。
8月には「秋季」と名のつく公式戦が始まります。
それに先立って、今日は審判員としての立場から批判を恐れずに「退場!」について記述します。あくまで私見です。
プロ野球における、直近の退場事例の動画を挙げておきます。
退場! ←YouTubeで開きます。
審判員は、野球規則に基づいて試合を主宰すること、グラウンド内の規律と秩序を維持することに関して責任と権限を持ちます。必要があれば、監督やコーチ、プレイヤーやその他グラウンド内の人を試合から除く権限も持っています。
審判員の判断に基づく裁定は最終のものなので、それに対して異議を申し立てることはできません。ただし、審判員が規則の適用を誤ったと疑われる場合は、監督が当該審判員に対して、規則適用の訂正を求めてアピールすることができます。
これらは野球規則に記載があります。「審判員」という項が設けられていますのでご一読ください。
今紹介した規則の中に、「試合から除く権限を持つ」とありました。簡単に言えば「退場にできる」ということです。
しかし、私も一度だけ経験がありますが、審判員にとって「退場」を宣告するというのは心苦しいものです。できれば試合から除かれる人を出さずに打開策を見出したいというのが正直なところです。
仙台市でも、公式戦においてアピールする権利のない指導者や観衆が審判員の判定に対して異議を唱えているケース、あるいは訂正を求めることができない事象に対して異議を唱えているケースが存在するのが現状ではないでしょうか。
審判団でも議論になっています。目に余るものについては都度警告を発していますが、発言にムッと来ながら聞かなかったことにして試合を進行したこともあります。(笑)
だから一向にトラブルがなくならないのかもしれませんが。
自分は審判団や指導者の中でも一番年下ですが、年上の方が相手であっても、いけないものはいけないと、しっかり伝えていかなければいけないなぁとも思います。
審判員の判定・決定・指示に従わない場合はまず警告しますが、なおも従わない場合は退場処分になります。
また、審判員の人格を否定するような発言(暴言)も許されるものではなく、退場処分が下されることになります。
Twitterで、他団体の審判の方が教えてくださいました。
例えば…
「何でセーフなんだよ!」「ボークじゃないのか!」「今の(判定)はおかしい!」などは審判員の判定に対する発言であり、言い方によっては暴言と捉えられる可能性があります。
「ちゃんと見てんのか!」「ふざけるんじゃねぇよ!」「ヘタクソ!」は審判員に対する直接的な発言で、即退場の判断になります。これはスポーツマンシップ、あるいはリスペクトの心が微塵も感じられず、到底許されるものではありません。選手や指導者ら(観衆も該当します)がこのような野次を飛ばしているのを確認した場合は退場を命じます。
私もチームではコーチとしてベンチ入りしており、審判員の判定に対して疑念が生じた時に一言二言、言いたくなる気持ちはわかります(審判を動揺させてもメリットはないので言いませんけど)。
また、審判員がいくら自分の判定に自信があったとしても、指導者や選手、観衆とは見え方や感じ方が違うのでトラブルになることもあります。
トラブルが大きくなる前に、正確な判定を下すために審判団が協議することは全く問題ないと思っていますし、それで判定が覆っても批判の対象にはならないと思います。仙台市野球協会でもそのような方針でやっております。自分の判定に絶対の自信があっても、試合の円滑な進行のために必要だと感じれば協議をして同僚審判員の意見を求めるようにしています。
確認やアピールに来る、あるいは野次のような形で審判員に疑義を唱える。それは確証があってのことだと思いますので、どこかで納得してもらわなければならない。そこは審判員が冷静に対応する他ないのではないかと思います。
自分もアマチュア、しかも駆け出しの審判員ですから、異議を唱えられたからと言って「何だとゴルァアアアア!!!」と強く言い返すつもりはありません。謙虚な姿勢で丁寧に説明することを心掛けています。
指導者も、審判員も、「子どもたちのために」というポリシーは一緒ですよね。
熱さも冷静さも両方持って、頑張っていきましょう!!
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