3フィートオーバー?

2014.7.2(水)

ちょっと前の試合になりますが…

プロ野球の試合で、3フィートオーバーをめぐる判定がありましたので紹介します。

3フィートオーバー? ←YouTubeで開きます。

 

プレーを整理すると…

2アウト満塁の場面で、日本ハム・大引選手がライトフェンス直撃の長打を放ちます。
3塁ランナーに続き、2塁ランナーも楽々ホームイン。
1塁ランナーの日本ハム・石川選手もホームを突きますが、0:22にはライトからバックホームされ、三本間でのランダウンプレーが発生。
その後0:24ごろに、2塁を大きく回っていた打者走者・大引選手の走塁を見て、黒羽根捕手が一度2塁に送球。
二三塁間のランダウンが始まった直後、1塁ランナーの石川選手が再びホームに向かいます。
それを受けて、2塁から本塁にボールが戻されます。
0:30
ごろに黒羽根捕手が腕を伸ばしながら石川選手に飛びつき、タッグに行っているように見えます。
しかし、石川選手が
外側に避けたため届かず。
石川選手は三本間に入っていた球審と接触しそうになりながらもホームを踏み、3人が生還。
打者走者も3塁まで到達しました。

 

直後にDeNA・中畑監督がダッシュで球審のもとへ抗議へ向かいました。
おそらく、「3フィートオーバーではないか」という趣旨の抗議であると思われます。

走者の「走路」は通常、塁間を結ぶラインを基準として左右に3フィートずつとされています。
ただし、走路を外れて走塁したからといって直ちに「アウト」を宣告されるものではありません。
塁を回るためにふくらんで走る必要がある場合や、打球を処理しようとする野手を避ける必要がある場合は、走路を外れてもルール上問題ありません。ここが誤解されやすいところです。(「走塁放棄」はまた別です)
ちなみに、日本では「フィート」という単位はあまり一般的ではありませんが、メートル換算で3フィートは1mに満たない距離です(約91cm)。

「3フィートオーバー」が適用されるのは、ランダウンプレーなどで走者が野手のタッグを避けようとした際に走路から外れた場合です。
走者がふくらんで走塁している時など、やむを得ず走路外を走っている時にタッグ行為があった場合は、タッグを避けようとしたときの走者の位置と走者が向かっている塁とのラインが基準になります。

今回のケースはというと、ランダウンプレーで黒羽根捕手がタッグしにいったところを石川選手が避けて走塁していますので、3フィートオーバーが適用されうるケースです。
審判員は、石川選手がタッグを避けたときに走路からは外れていなかったと判断したということになります。
実況のアナウンサーは「完全に出ているんですけどねぇ…」と言っていますが、走路を外れていたかどうかは審判員の判断に委ねられます(アピールプレイではありません)。今回のケースは非常に難しい判断だと思います。

このプレーでは、球審が本塁付近で走者と接触しそうになって倒れ込んでいます。あの位置で良いのかな…
ランダウンが始まったときの日本ハムの3塁コーチャーも、あの位置まで出てきて良いのかな…

 

自分も球審をしている時に何度か3フィートオーバーを適用したことがあります。
この時はタイムをかけない(ボールインプレイ)ということも合わせて覚えておきたいですね。

 

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